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  HOMEOB・OGの近況辰巳 誠氏 講演会  
     
  辰巳 誠氏 講演会  
     
 
会長   松本 克彦   (1期)
 
     
 
 
     
  さる10月28日に、交野高校体育館において、交野高校同窓会「桜美会」主催の第2回講演会を行った。
講演者は、交野高校4期生の辰巳誠氏。
現在、ソフトバンクモバイル社のプロダクト・サービス本部、技術開発統括部の統括部長という重職についておられる。

ソフトバンクが行っている通信の仕事は、ざっくりと大きく2つに分けられる。
まず、アンテナなどの基地局側と、通信を受ける携帯端末側の二つだ。
辰巳氏は、そのうちの通信を受ける側の最高責任者である。
携帯電話は、アナログの第一世代、デジタルの第2世代、そして世界標準規格準拠(3GPP)の第3世代携帯電話と進化をしてきたが、その第3世代器の開発の第一人者が、辰巳氏である。世界の先端技術を扱うトップ技術者である。

講演の前日まで、サンフランシスコで仕事をされていて、日本に帰国するやそのまま大阪に来て、交野高校で講演を行っていただいた。

ソフトバンクモバイル社は、ご存じのように新しくできた会社である。
日本の通信関連企業は、合併や再編が繰り返され、現在はNTTドコモ社、AU社、そしてソフトバンクモバイル社の三社である。NTTドコモは、国の公的機関であった「電電公社」が前身である。それに対して、残りの二つの会社は、通信の自由化に伴って、ゼロから立ち上がった新しい通信会社である。
ソフトバンクモバイル社は、情報革命で人々を幸せにするそういう目標を掲げた会社だそうだ。

彼は、少年時代の無線電波との出会いを語ってくれた。
その中で大変印象に残ったことは、子どもの時に見た「アポロ11号の月面着陸」の話だ。人類初の有人宇宙船による月面着陸は、歴史的大偉業で、人類が月面に降り立ったことは、当時小学5年生の子どもだった私にも強烈な思い出として印象に残っている。
「こちらアポロ11号。ピー。こちらヒューストン。ピー」という、当時を覚えている人間なら誰でも覚えている、地球と宇宙船との通信があった。
その「物まね」をしたのが私たちの世代である。

ところが、当時、私よりなお幼かった辰巳氏は、そこに興味と疑問を感じたそうだ。
「なぜ、遠く離れた地球と月との間で通信ができるのだろう」と。
テレビ番組が伝えた宇宙船とヒューストンにある基地との交信は、その相互のやりとりを含めて、世界中の全ての人が見つめていた。
しかし、そこに科学的な疑問と興味を持ち、それを自分の将来の仕事としてまで、一貫して追い求めた人間は、世界中でもほんの一握りだろう。
その一人が、辰巳氏だ。
その事実を聞き、素直に私は感動した。

辰巳氏は高校時代「無線部」に所属していた。
理系の大学に進学し、大学時代の研究テーマは、「スペクトラム拡散通信」だったそうだ。
私には、もちろん詳しくは分からないが、それは、例えば、宇宙探査船ボイジャーが、遙か太陽系の彼方から画像を地球に送ってくる。
それを可能にしている理論だそうだ。
彼は、大学でそれを研究テーマとして取り上げ、科学技術者としてのスタートを切ったそうである。

彼の英語に対する話も興味深かった。
全世界で英語を母国語とする人は3億人程度だが、英語を第2言語としたり、英語を外国語として学んでいる人間はその数倍にもなるそうである。
世界中の人間は、英語を使うことによってお互いに意志疎通することができる、という話であった。
私も、海外に何度も行き、英語の大切さは当然実感として感じている。
その際、最も強く感じることは、英語を学ぶときに大切なのは、どのように話すかということではなく、何を話すかということだ。
発音が、多少違っていようと、互いに英語を使い合って意志疎通をする必要性を感じる人間同士の会話には、中身がなければ意味はない。
相手のいわんとすることを、母国語ではない言語を用いて理解しようとするときに、大切なのは語ろうとする中身だとつくづく思う。
中身のない人間の話などを聞くのは、ある意味、時間の無駄である。

辰巳氏は、「根性で英語を話そう」と生徒たちに呼びかけていた。
同感である。
今日、いわゆる一流と言われている会社では、入社基準として国際標準の実用英語試験TOEICでの高得点を要求している。英語ができないではすまされない。
辰巳氏の海外での仕事経験がそういう強い呼びかけになっているのだろう。

辰巳氏が、講演の後での、親睦会で次のようなこと言っていた。
日本の学生の教育レベルの低下である。
非常に優秀なスウェーデンの学生がいたそうである。
彼は、日本の先端技術を学ぼうとして東京大学に留学したところ、彼はほんのわずか在籍しただけで失望して帰国したのだそうだ。
その理由は、東大の現実、つまり学生が全然勉強しないことへの失望だったそうである。
日本人が、勤勉であることは、ほんの20〜30年前くらいまでは、世界の共通認識のはずだった。しかし、それはもはや伝説になってしまったのかもしれない。
同じような話を私も世界の他の国で聞いたことがある。
勉強の大切さ、真剣に勉強しなければ、高度な知識が身に付くはずがない。
講演の最後に辰巳氏に質問をした学生がいた。
「一生懸命に頑張ったのか」と。
辰巳氏のかわりに、私が答えよう。
「一生懸命に頑張らなければ、世界最高水準の知識や技術は身につかないよ」と。

彼が語る、勤務しているソフトバンクモバイル社での孫社長の話も非常に印象的だった。
孫社長は、こだわりのない人だそうである。
古い意見に拘泥しないタイプなのだろう。
「志は高く」
「できないというな。できる方法を考えろ」
「脳味噌はちぎれるほど使え。ちぎれるほど使っても、ちぎれた人間はいない」
「ナンバーワンでなければ意味はない」
孫社長の言葉を通しての、辰巳氏からの交野高校生への熱いメッセージだった。

また、つい先ほど、若くして亡くなった天才、アップル社のスティーブン・ジョブスとの話も興味そそるものだった。辰巳氏は、ジョブスが亡くなるほんの3ヶ月前、今年の7月に、ジョブスの講演を間近で聞いたそうである。
それ以前のジョブスは、プレゼンが上手で話もうまく、いつも2時間くらい話をするのだそうだ。
しかし、ガンや臓器移植などで健康を害していたために、最後に彼が見たときのジョブスは、体力的に長時間の話はムリで、少し話をした後、部下に続きをさせたそうだ。
そのころ、彼がハーバード大の卒業式の祝辞で語った言葉を紹介した。
「今日が最後の日として、今日やることは、本当にやりたいことなのか。もし、NOの日が続いたなら、何かを変えなければならない」

辰巳氏は、中学校時代から無線というものに興味を持ち、その無線の趣味を仕事にしていった。一貫して彼が追い求めていたのは無線通信の世界での技術の追求である。
自分の信念と興味を徹底的に追いかけることによって、彼は今の地位に到達したのだろう。しかし、おそらく彼の目標は地位自体にはない。
それとは違う、さらなる高みに向けて、彼の夢は続くのだろう。

昔、はやった「安室奈美恵」の曲に
「夢なんて見るモンもんじゃない、語るモンじゃない、叶えるものだから」
というのがあった。
それが辰巳氏が、交野高校の在校生たちに対して、先輩として語りたかったメッセージではなかったかと、私は講演後の生徒たちからの彼への大きな拍手を聞きながら思った。
 
   
 
 
     
  以下、同窓会(桜美会)のメンバーからの感想です。

3期、加藤裕理さんからの感想です
自分の夢、希望を叶えるため どの様な進路をとればいいのか。
辰巳さんの場合は 努力をしんどいものではなく 疑問と興味に変え楽しみながら
進んでこられたように感じました。
孫さんの 「脳はちぎれない」 という言葉(格言)が印象に残りました。


5期、三木照子さんからの感想です
子どもの頃から持ち続けていた夢を仕事にされ、現在活躍されているということは、本当にすばらしいお話だと思い、お聞きしました。
お仕事の内容も、興味を持ちましたが、まだまだ広がる御自身の夢が、今後もますますキラキラ輝いているんだなという印象を持ちました。
生徒の皆さんもきっとプラスの発想で、自分の夢を大切にしてくださることだと思います。
 
   
 
 
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